企画展図録

企画展図録『角の魅惑-日本のシカ化石とニホンジカ-』

企画展図録『角の魅惑-日本のシカ化石とニホンジカ-』

令和4年12月~令和5年5月に開催の企画展「角の魅惑-日本のシカ化石とニホンジカ-」の図録です。

わたしたちにとって身近な野生動物であるシカ。日本の街なかで暮らしている人々は、奈良公園など一部の地域を除いてその姿を目撃することはほとんど無いかもしれません。シカは森の動物というイメージですが、実際は人里に隣接した山(里山)にたくさん生息しています。そんなシカが、近年分布域を拡大し個体数を増やして、農林業や森林生態系に大きな影響を与えていることが世界中で問題となっています。この「シカ問題」に対して、静岡県では人とシカ(自然)が共存していくための様々な取り組みを進めていますが、そもそもシカとはどのような生き物なのか知ることが「シカ問題」と向き合う第一歩なのではないでしょうか。

この企画展は、シカが起源してからニホンジカに至る進化の過程を時系列順に紹介する古生物の展示と、現代のニホンジカと人の関係をテーマにした展示の2部構成になっています。静岡県からは、第四紀更新世に生息していたヤベオオツノジカやカズサジカなどの化石が見つかっており、さらにニホンジカが20万年前には本州にいたことを示す重要な化石も発見されています。2019年には、岐阜県瑞浪市から国内初となる中新世のシカの角化石が見つかり、国内最古級のシカ化石として、今回、全身骨格の復元を試みました。日本のシカ化石の研究はまだ進行中であり、今後も新しい化石の発見とともに新しい学説が生まれることが期待されます。本展では、シカについて理解を深めるとともに、私たちの足元に広がる自然環境とそこで起きている様々な問題に目を向けるきっかけとなれば幸いです。

図録ごあいさつより抜粋

A4版 72ページ

1冊 1,000円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。

企画展図録『しずおかの酒と肴』

企画展図録『しずおかの酒と肴』

令和3年12月~令和4年5月に開催の企画展「しずおかの酒と肴」の図録です。

「静岡の酒と肴」展にようこそお越しくださいました。静岡県は富士山など高い山があることでよい水に恵まれています。また山野河海の豊かな資源に支えられた、他の土地にはみられない豊かな食材があります。静岡県はまさに食材の王国なのです。

静岡県では、駿河の北条氏や遠州・駿河の今川・徳川氏など武家社会がよい水を背景にして茶の文化を育ててきました。長い歴史を通してはぐくまれた発酵の技術がうまい酒や発酵食品を造りました。豊富な食材の生産、天然資源の管理の知の体系は膨大なものです。静岡県は食文化の回廊でもあるのです。

静岡の食がもつこうした豊かさを改めて知っていただきたい。そしてそれを通じて改めて生物多様性の大切さを知っていただきたい。というのがこの展示を企画した理由です。「酒と肴」と銘打ったことには、日ごろミュージアムには縁遠い方にも足を運んでいただければという思いを込めました。

食は観て聴くだけでなく、食べて初めてその良さがわかるものです。展示を見て心が満たされたところで街に出て、ぜひとも実際の食を楽しんでいただければと思います。そうすることが、静岡県の豊かな食材と食文化を守ることにつながるのです。

図録ごあいさつより抜粋

B5変形 160ページ

1冊 2,000円

大絶滅-地球環境の変遷と生物の栄枯盛衰-

企画展図録『食虫植物 シンカのからくり』

令和2年12月~令和3年4月開催の企画展「食虫植物―シンカのからくり―」の図録です。

食虫植物と聞いて多くの方の脳裏にまず浮かぶのは、ハエトリソウがハエやアリなどの昆虫を一瞬にして捕まえるシーンではないでしょうか。動く虫たちを植物や菌類が食べてしまうという事実は、古くから人々の興味を掻き立ててきました。食虫植物は虫を食べない普通の植物から進化してきたと考えられています。そのため、ハエトリソウの武器である捕虫葉がもつ数々の特徴は、「虫を食べる」という目的のためだけに進化してきた軌跡であるともいえます。

食虫植物には園芸的に栽培できる種が多く知られており、観賞用植物として我々の好奇心を掻き立ててくれます。「虫を食べる菌類」である冬虫夏草類もまた生薬や医学分野において利用されています。その一方で、人間が暮らしのためにため池や湿地を埋め立てたり、水質を悪化させたりしたことにより生息地が奪われた種や、人間の生活様式の変化により、絶滅が心配されている種がいます。

本企画展「食虫植物―シンカのからくり―」では、食虫植物や冬虫夏草類が「虫を食べる」ためにどのようなシンカ(進化)を遂げてきたのかを見ていくとともに、彼らと人との関係のシンカ(深化)について考えます。本展が普段あまり目にすることのない食虫植物と冬虫夏草類への理解を深め、我々の暮らしと実は身近な、しかし少し変わった生き物との関係を知り、思いを馳せていただく機会となることを願います。

図録開催にあたってより抜粋

A4版 96ページ

1冊 1,600円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。

大絶滅-地球環境の変遷と生物の栄枯盛衰-

企画展図録『大絶滅-地球環境の変遷と生物の栄枯盛衰-』

令和元年度に開催された企画展「大絶滅-地球環境の変遷と生物の栄枯盛衰-」の図録です。

約5億年前以降、地球環境の激変により多くの生物種がほぼ同時に姿を消す「大量絶滅」が5回起こりました。この企画展では、地球史上最大とされる古生代ペルム紀末と、鳥類以外の全ての恐竜が滅んだ中生代白亜紀末の大量絶滅に焦点をあて、当時の生物や岩石・地層の標本を集めました。

ペルム紀末には海洋生物の90%、陸生脊椎動物も70%が絶滅したと推定されています。白亜紀末には1億年以上も陸上生態系の頂点に君臨してきた恐竜が鳥類を残して全て姿を消しました。一方で、これらの大量絶滅の後には滅んだ生物に代わって別の生物が栄えるようになりました。大量絶滅は、生命の歴史の「境界」だったのです。

現在の人類は、生態系を支配するばかりでなく、地球環境の運命を左右する力を持つ存在です。人間活動を原因とする近年の地球温暖化や生物多様性の減少は著しく、このままでは数100年後に6回目の大量絶滅に至るとの予想もなされています。

人類は新たな「境界」をつくり出すのでしょうか?この企画展が、はるか昔から繰り返し起こってきた地球環境の激変と生物の栄枯盛衰について知り、現在の人為的な環境変化とその影響を考える機会となると幸いです。

図録ごあいさつより抜粋

A4版 112ページ

1冊 1,800円 → 900円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。

企画展図録『くらやみの覇者 ―駿河湾のサメにみる多様性と未来―』

企画展図録『くらやみの覇者 ―駿河湾のサメにみる多様性と未来―』

平成30年度に開催された企画展「くらやみの覇者 ―駿河湾のサメにみる多様性と未来―」の図録です。危険生物として嫌悪、忌避されるがあまり、多くの人にとって「くらやみ」に包まれた存在のサメ。図録では、駿河湾でこれまでに記録されている64種のサメをすべて紹介し、生態や人との関わりを見ていきます。本当にこわいのは、サメか人か――「くらやみ」の中の実像を探っていきましょう。

A4版 96ページ

1冊 1,500円 → 700円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。

企画展図録『先史時代の輝き -旧石器・縄文時代の人と環境-』

企画展図録『先史時代の輝き -旧石器・縄文時代の人と環境-』

平成29年度に開催された企画展「先史時代の輝き -旧石器・縄文時代の人と環境-」の図録です。旧石器・縄文時代の遺跡から出土した遺物や古人骨を紹介しています。人の暮らしにまつわるテーマごとに二つの時代を対比させながら解説しています。遺物を通じて先史時代に生きた人々の豊かな知性や感性に思いを馳せてみませんか?

A4版 96ページ

1冊 1,500円 → 700円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。

企画展図録『静岡のチョウ 世界のチョウ』

企画展図録『静岡のチョウ 世界のチョウ』

平成28年度に開催された企画展「静岡のチョウ 世界のチョウ」の図録です。古くから人々に愛されてきたチョウ。図録では、静岡に生息する全種の標本や世界の各地域を代表するチョウ、絶滅した貴重なチョウ等を紹介します。

A4版 132ページ

1冊 1,800円 → 900円

当館受付、もしくは図鑑カフェにてご購入いただけます。