みどころ
私たちが暮らす地球は、どのように形作られてきたのでしょうか。そこにはまだ多くの謎が残されています。最新の研究成果が解き明かす地球の形成史、その壮大な歴史ストーリーを、世界各地で収集された貴重な岩石標本とともに紹介します。
企画展示室1「世界で集めた地球史の断片」、「126億年の旅」
全地球史を解読するために集められた岩石を年表と世界地図上に配置しました。
それらの対応関係を考えながら観覧することで、地球の成り立ちを知ることができます。
展示で紹介する主な石と地球史
「地球史」というと大型生物が誕生して進化した顕生代が最も注目されますが、それ以前の太古代や原生代の方が圧倒的に長いことがわかります。大型生物がいなかった年代の岩石を調べることによって、どのような地球環境の変化が読み取れるでしょうか。
世界の地質の形成年代と展示で紹介する石の採取地
日本には顕生代より前の地層はほとんど分布しません。そのため、全地球史を解明するためには、古い年代の地層が分布する世界各地で調査をして地層や岩石を分析する必要があるのです。
企画展示室2「未来地球史」
過去と現在を知ることによって想定される未来の地球を考えます。
美しい岩石・鉱物や身近な静岡県の岩石についても紹介します。
関連イベント
講演会
- ●参加費:観覧料のみ
- ●参加人数:100名まで要予約
- ●会場:当館2F講堂
太古の地球に最初の生命が誕生するまでのみちのり
- 開催日
- 2024年12月21日(土)14:00~15:30
- 講師
- 丸山茂徳(東京工業大学名誉教授)
ダーウインに遡る『生命の起源』の研究を総括して、実証可能な作業仮説を示し、予測される実証研究の成果を予測します。誰にでも分かるような平易な言葉で、次の①,②について解説します。
①生命地球が生まれた時の地表環境で、CO2, H2O, N2Oと最古の大陸地殻が風化・浸食・運搬されて出来るP,Ca,Mg,Fe,Ca,Sなどが入った湖水の間欠泉から原始生命が生まれました。
②太陽エネルギーは弱くてアミノ酸(タンパク質のもと)や核酸(遺伝子のもと)、細胞膜を合成できないので、代わりに二桁大きなエネルギーを持つ自然原子炉が駆動する自然間欠泉で、無機化合物から初歩的な有機化合物が創られ、更に巨大な有機分子からなるDNA-RNA, ncRNA、細胞膜の装置群(ATP製造装置,各種ポリン、プロトン、Na,K)とリボソームが生まれました。
申込み
40億年の地球環境変動と生物進化
- 開催日
- 2025年1月18日(土)14:00~15:30
- 講師
- 上野雄一郎(東京科学大学教授)
誕生間もない初期の地球には大気中に酸素はなく、嫌気的な微生物の住む惑星でした。その後、およそ23億年前になると、光合成生物が発生させた酸素によって地球の表層環境は激変し(Great Oxidation Event:GOEと呼ばれる)、酸素を呼吸する好気的な真核生物が登場しました。さらにおよそ6億年前になると酸素濃度は更に上昇し、我々動物のような生物が住める惑星へと変化しました。本講演ではこのような長い時間におよぶ地球環境と生物の共進化について、岩石記録の証拠から分かっている地球環境史を解説します。
申込み
地球史プロジェクト
わたしが体験したグリーンランドでの破格の野外調査
- 開催日
- 2025年2月8日(土)14:00~15:30
- 講師
- 増田俊明(静岡大学名誉教授)
丸山茂徳さんが始めた「地球史プロジェクト」の一部として、1990年の夏にグリーンランドでサンプリングと野外調査が計画され、私はこの調査のメンバーに選ばれ、参加しました。人が住んでいる街から遠く離れたイスアという、岩石と内陸氷河の境界のところでの調査は、ヘリコプターをまるで自家用車の代わりに使った豪華なもので、今思い返すと、バブルってすごかったんだな、と思わされます。私にとってこんな調査はこれっきりで、もし写真が残っていなかったら、みなさん嘘だと思うでしょう。この講演では現場での写真を中心に、35年前に私が体験した出来事を紹介します。
申込み
太古の地球に最初の生命が誕生するまでのみちのり
- 開催日
- 2024年12月21日(土)14:00~15:30
- 講師
- 丸山茂徳(東京工業大学名誉教授)
ダーウインに遡る『生命の起源』の研究を総括して、実証可能な作業仮説を示し、予測される実証研究の成果を予測します。誰にでも分かるような平易な言葉で、次の①,②について解説します。
①生命地球が生まれた時の地表環境で、CO2, H2O, N2Oと最古の大陸地殻が風化・浸食・運搬されて出来るP,Ca,Mg,Fe,Ca,Sなどが入った湖水の間欠泉から原始生命が生まれました。
②太陽エネルギーは弱くてアミノ酸(タンパク質のもと)や核酸(遺伝子のもと)、細胞膜を合成できないので、代わりに二桁大きなエネルギーを持つ自然原子炉が駆動する自然間欠泉で、無機化合物から初歩的な有機化合物が創られ、更に巨大な有機分子からなるDNA-RNA, ncRNA、細胞膜の装置群(ATP製造装置,各種ポリン、プロトン、Na,K)とリボソームが生まれました。
40億年の地球環境変動と生物進化
- 開催日
- 2025年1月18日(土)14:00~15:30
- 講師
- 上野雄一郎(東京科学大学教授)
誕生間もない初期の地球には大気中に酸素はなく、嫌気的な微生物の住む惑星でした。その後、およそ23億年前になると、光合成生物が発生させた酸素によって地球の表層環境は激変し(Great Oxidation Event:GOEと呼ばれる)、酸素を呼吸する好気的な真核生物が登場しました。さらにおよそ6億年前になると酸素濃度は更に上昇し、我々動物のような生物が住める惑星へと変化しました。本講演ではこのような長い時間におよぶ地球環境と生物の共進化について、岩石記録の証拠から分かっている地球環境史を解説します。
申込み地球史プロジェクト
わたしが体験したグリーンランドでの破格の野外調査
- 開催日
- 2025年2月8日(土)14:00~15:30
- 講師
- 増田俊明(静岡大学名誉教授)
丸山茂徳さんが始めた「地球史プロジェクト」の一部として、1990年の夏にグリーンランドでサンプリングと野外調査が計画され、私はこの調査のメンバーに選ばれ、参加しました。人が住んでいる街から遠く離れたイスアという、岩石と内陸氷河の境界のところでの調査は、ヘリコプターをまるで自家用車の代わりに使った豪華なもので、今思い返すと、バブルってすごかったんだな、と思わされます。私にとってこんな調査はこれっきりで、もし写真が残っていなかったら、みなさん嘘だと思うでしょう。この講演では現場での写真を中心に、35年前に私が体験した出来事を紹介します。
申込み体験講座
- ●申込期間:11月14日(木)~29日(金)要予約
キラキラ水晶を見つけ出せ!
- 開催日
- 12月21日(土)10:40~12:10
- 講師
- 四ノ宮裕(ミュージアムサポーター)
- 参加資格
- ふじミューフレンズ会員限定 小学3年生以上(小学3・4年生は保護者同伴)
- 参加費
- 200円
- 参加人数
- 12組
遠州灘の砂からガーネットを見つけよう
- 開催日
- 12月22日(日)10:40~12:10
- 講師
- 青島晃(ミュージアム客員研究員)
- 参加資格
- 小学生(小学1・2年生は保護者同伴)
- 参加費
- 観覧料のみ
- 参加人数
- 12組
巳年のはじめに蛇紋岩を磨こう
- 開催日
- 1月5日(日)10:40~12:10
- 講師
- 中西利典(ミュージアム研究員)
- 参加資格
- 小学3年生以上(小学3・4年生は保護者同伴)
- 参加費
- 200円
- 参加人数
- 12組
申込⽅法
- 講演会
- 各講演の「申込み」ボタンより申込み、あるいは当館受付窓口にてお申し込み下さい。
- 体験講座
- 各体験講座の「申込み」ボタンよりお申し込みください。
※電話での申込みはできかねます。
※体験講座の当落は12月5日(木)までに全員にメールでご連絡します。
※体験講座の定員に空きがある場合は12月6日(金)より電話と窓口で受付します。(先着順)
チケット・開催概要
- 展覧会名
- 企画展「全地球史」
- 会期
- 2024年12月14日(土)~2025年3月23日(日)
※ 休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は次の平日)、年末年始(12月27日~1月3日) - 場所
- ふじのくに地球環境史ミュージアム 企画展示室1・2
- 観覧料
- 一般600円(500円)、
小学生以上大学生以下・70歳以上300円(200円)
※( )内は前売料金及び20名以上の団体料金。
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその付添者1名は無料。
※常設展も併せてご観覧いただけます。 - 主催
- ふじのくに地球環境史ミュージアム
- 協力
- 東京科学大学地球史資料館、産業技術総合研究所地質調査総合センター、静岡大学理学部川本研究室